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北米の回り方 — 最後に置くと予算調整ができる

西回りの世界一周では、北米が最後の大陸になります。 これは順番の都合であると同時に、 予算の調整弁として機能するという意味も持ちます。 高物価の区間を最後に置く利点から説明します。

最終更新:2026年10月22日

最後に置く利点

旅の後半になると、予算の実績が見えてきます。 使いすぎたのか、余っているのか。 その時点で日数を伸縮できる大陸が最後にあると、着地が楽になります。

状況北米が最後にあると
予算が余っている 滞在を延ばす。単価が高いぶん、吸収力が大きい
予算が足りない 都市を減らして早めに帰国する。単価が高いので削減効果も大きい
体力が尽きている インフラが整っているため、消耗が少ない状態で締められる

逆に、北米を旅の序盤に置くと最も高い区間で最も下手な旅をすることになります。 アジアを最初に置く理由と、ちょうど裏表の関係です (アジアの回り方)。

物価:見えている値段では払えない

北米の物価が高いことはよく知られていますが、 実際の支払額が表示価格より上がるという点は見落とされがちです。

  • 税が別 — 表示価格に税が含まれていないのが一般的で、会計時に上乗せされます
  • チップの慣習がある — 飲食などでは、支払い総額がさらに増えます
  • 都市によって差が大きい — 同じ国でも、都市が変われば宿代が倍以上違います

ビッグマック価格で見ると、ニューヨークは平均7.08ドルで、 日本の約2.4倍にあたります(世界の物価)。 体感としては、それ以上の差になります。

予算は「表示価格+2割」で組む

税とチップを考えると、目に見える金額のまま計算すると足りません。 見積もりの段階から一定の上乗せを入れておくと、 現地で慌てずに済みます。 カードが使える場面が非常に多い地域なので、 現金より決済手段の分散を重視してください(お金の持ち方)。

距離と移動手段

北米は距離が長く、しかも陸路が現実的でないという組み合わせです。 南米と似ていますが、選択肢の質が違います。

手段使いどころ
飛行機 都市間移動の基本。国内線の路線網が発達しています
長距離バス 安いが時間がかかる。近距離では選択肢になります
鉄道 路線が限られる。移動手段というより体験として
都市内の交通 配車アプリが広く使えます。行き先を口頭で伝えずに済みます

つまり北米区間は航空券の区間数を消費します。 大陸内で何都市に寄るかが、そのまま区間数に効いてくるため、 寄る都市を絞るほど、他の大陸に区間を回せます (世界一周航空券)。

入国前の手続き

事前の電子渡航認証が必要です

北米の国々は、ビザが不要な場合でも 出発前にオンラインで渡航認証を取得する必要があります。 取得していないと搭乗できません。 有効期限があり、パスポートを更新すると取り直しになる点にも注意してください。 制度の詳細と手続きはビザの調べ方を参照し、 必ず各国の公式サイトから申請してください。

また、北米は入国審査が厳格な地域として知られています。 滞在先、滞在期間、出国便の予定を答えられるようにしておくのが基本です。 世界一周の途中で入る場合、次の目的地が決まっていることを示せると説明が早く済みます。

季節

  • 内陸と北部の冬は厳しい — 移動が影響を受けることがあります
  • 南部と西海岸は通年で回しやすい
  • 夏は宿代が上がる — ヨーロッパほどではありませんが、繁忙期の影響はあります

西回りで最後に通る場合、季節を選ぶ余地はあまり残りません。 前の大陸までで日程が決まってしまうためです。 気になる場合は、ここを季節の固定点にして全体を逆算するという組み方もできます (期間と出発時期)。

日数の決め方

北米の日数は、行きたい場所からではなく、残った予算から決めるのが現実的です。

  1. 他の大陸を通り終えた時点の残額を確認する
  2. 1日あたりの単価を高めに見積もる(表示価格+税+チップ)
  3. 残額 ÷ 単価で日数の上限を出す
  4. その日数で回れる都市数に絞る
  5. 帰国後の生活費には手をつけない — 旅の予算とは別枠です(期間と出発時期)

最後の大陸だからこそ、ここで使い切ってしまう誘惑が出ます。 帰国後の生活費を別枠にしておく理由は、まさにこの局面のためです。

北米を短くしても満足度を落とさない方法

北米は旅の終わりに置くことが多く、残ったお金と日数で回ることになります。 短くするなら、都市の数を減らして、移動を減らすのが基本です。

  • 大きな都市を2つまでに絞る — 都市の間は距離があり、移動するたびに航空券と宿の出費が重なります。拠点を決めて、そこから日帰りで回るほうが安く済みます。
  • 宿は早めに押さえる — 都市部の宿は日によって値段が大きく変わります。旅の終盤は日付が決まっていることが多いので、決まった時点で取ります。
  • 車がないと行けない場所を外す — 国立公園などは公共交通が少なく、車を借りる前提になります。運転の準備や保険まで考えると、短い滞在には向きません。
  • 入国の手続きを最後まで残さない — 電子渡航認証は出発前に取っておくものです。旅の途中で申し込む場合も、乗る便の前に余裕を持って済ませます。

北米を「最後のご褒美」にするなら、行きたい場所を1つ決め、そこに日数を集めるほうが記憶に残ります。 数を回るより、帰国の前に体と予算を整える区間と考えると無理がありません。

旅の終わりを北米にするときの注意

  • 帰りの便の日付を先に決める — 最後の区間は、仕事や家の予定に合わせて動かしにくいからです。
  • 予算の残りを途中で見ておく — 北米は物価が高いので、残りが少ないと日数を削ることになります。旅の中ほどで一度、残りを確かめます。
  • 体調と荷物を整える日を作る — 長い旅の終わりは疲れがたまっています。帰国の前に1日、何もしない日を取ります。

北米で見落としやすい費用

  • 表示の値段に税が足される — 店の値札は税抜きのことが多く、払うときに増えます。
  • チップ — 食事や一部のサービスでは、代金とは別にチップを渡す習慣があります。
  • 空港からの移動 — 空港と街の間が遠く、移動に費用がかかることがあります。

見積もりのときは、表示の値段に上乗せが来る前提で、1日の予算を少し多めに取っておきます。