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世界一周航空券とは — 料金・区間数・ルールの基本

世界一周航空券は、複数の航空会社が組む連合(アライアンス)が発行する、 地球を一周する行程をまとめて買うための特殊な航空券です。 最初に覚えるべきルールは一つ、逆走禁止です。東回りか西回りか、一度決めた方向にしか進めません。

最終更新:2026年10月31日

答え:ビジネスクラスは東京発3大陸で総額998,040円(2026年10月27日の公式試算)

運賃 787,600円 + 税金・燃油などの追加料金 210,440円 = 合計 998,040円(大人1名)

ワンワールド・エクスプローラーのビジネスクラスで、東京 → ロンドン → ニューヨーク → 東京(アジア・ヨーロッパ・北米の3大陸)。2026年11月17日・2026年11月24日・2026年12月1日発の便で試算しました。

  • 大陸を増やすと上がる — ワンワールドは立ち寄る大陸の数(3〜6)とクラスで運賃が決まる
  • スターアライアンスは距離で決まる — 全区間の合計マイルが26,000・29,000・34,000・39,000マイルのどの段に入るかと、クラス・出発地で決まる
  • 円の運賃表は公式に出ていない — 自分の行程の額は、各アライアンスの予約画面に都市と日付を入れると出る。税金と追加料金は便と日付で変わる

出典:oneworld 世界一周旅行の予約画面(2026年10月27日に上の行程で試算・予約はしていません)・oneworld よくあるご質問・Star Alliance「Round the World」FAQ

空港の窓辺で世界地図を広げ、外の旅客機を背に出発を待つ3Dのちんあなご2匹
イメージ画像(AIで作成・実物ではありません)

仕組み:区間をまとめて買う

世界一周航空券は、行き先ごとに航空券を買い足していくのではなく、 あらかじめ決めた複数の区間を一括で購入する形式の航空券です。 発行しているのは個々の航空会社ではなく、航空会社の連合体であるアライアンスです。

主要なものはスターアライアンスとワンワールドの2つ。 どちらを選ぶかによって使える航空会社が変わるため、 行きたい都市に強い路線を持つのはどちらかが実質的な選択基準になります。

料金の比較

自分の行程の金額は、公式の予約画面に入れると予約なしで出ます。 エコノミーで試した金額と手順は世界一周航空券の見積もり方に残しています。

下の表は、旅行会社や個人のサイトが2026年にまとめた料金の例です。公式の運賃表ではありません(アライアンスは円の運賃表を出していません)。 このうちワンワールドのビジネス787,600円は、2026年10月27日に公式の予約画面で3大陸の行程を試算したときの運賃と同じでした。 どれも本体価格で、空港施設使用料、現地税、航空保険料、 燃油サーチャージは別途かかります。上の試算では追加料金が210,440円でした。

クラススターアライアンスワンワールド
エコノミー358,900円368,500円
プレミアムエコノミー553,800円—
ビジネス705,500円787,600円
ファースト1,141,000円1,204,000円

エコノミー同士で比べると差は1万円弱で、料金だけで決める理由はほとんどありません。 差が開くのは上位クラスで、ビジネスクラスでは8万円ほどの開きがあります。

見落としやすい追加費用

表示価格に含まれないものとして、燃油サーチャージ、各国の出国税・空港税があります。 訪問国数が多いほどこれが積み上がるため、区間を増やすと本体価格が同じでも総額は増えます。 見積もりを取るときは、必ず税・サーチャージ込みの総額で比較してください。

守らなければならないルール

世界一周航空券が普通の航空券と決定的に違うのは、ルートの自由度に制約があることです。 主なものは4つです。

卓上ライトの下で、虫眼鏡を使って地図の細かい決まりを確かめる3Dのちんあなご2匹
イメージイラスト(AIで作成・実物ではありません)

1. 一方向にしか進めない(逆走禁止)

東回りか西回りか、最初に決めた方向に沿って進み続ける必要があります。 大陸間の移動で逆方向に戻るルートは組めません。 これが行程設計における最大の制約で、 「あとから思いついた国を途中に挟む」ということができません。

2. 区間数に上限がある

スターアライアンス、ワンワールドとも最大16区間が上限です。 ただしワンワールドのマイルを使う特典航空券は最大8区間で、 太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ横断するという条件になります。

3. 出発地に戻る必要がある

名前のとおり、出発した国に戻ってくる行程であることが前提です。 片道で終わる旅には使えません。

4. 旅の長さは最長1年

どちらのアライアンスも、最初の便の出発から12か月以内に旅を終える決まりです。 ワンワールドは「10日から最大1年間」、スターアライアンスは日本発なら最短がクラスで変わり、エコノミーは3日、ビジネスとファーストは10日です。 ワンワールドではさらに、大西洋と太平洋を1回ずつ渡ること、3〜6の大陸と3〜16の便で組むことが条件です。 何か月で回るかの目安は期間と出発時期にあります。

「16区間」は思ったより少ない

16区間というと多く感じますが、1区間=1フライトです。 乗り継ぎが必要な都市に行くと、それだけで2区間を消費します。 結果として、実際に降りられる都市は16よりかなり少なくなります。 陸路移動(バス・鉄道)を組み合わせて区間を節約するのが定石です。 手段ごとの向き不向きは移動手段にまとめました。

個別に買う場合との違い

近年はLCCが増え、区間ごとに個別に航空券を買う方が安く済むケースも珍しくありません。 それでも世界一周航空券に価値が残るのは、次の点です。

世界一周航空券個別購入
総額の読みやすさ 出発前に確定する その都度の相場に左右される
ルート変更 制約が多い(逆走不可) 自由
長距離路線 大陸間の移動に強い 長距離ほど割高になりやすい
近距離・LCC路線 区間を無駄に消費する 圧倒的に安い

つまり大陸間の長距離だけを世界一周航空券でおさえ、 近距離はLCCや陸路で埋めるという併用が、現在では合理的な選択肢になっています。

向いている人・向いていない人

向いているのは、行き先と時期をある程度固めてから出発する人です。 総額が出発前に確定するため、予算計画が立てやすくなります。 逆に、現地で気の向くまま行き先を変えたい人には制約が重く感じられます。

また、訪問先がアジア中心で近距離が多い場合は、 16区間の上限を長距離に使えないため、割に合わないことがあります。 ルートの決め方を先に固めてから、 航空券の形式を決める順番がおすすめです。

世界一周航空券でよくある誤解

  • 「世界一周航空券なら、どこでも好きに乗り降りできる」 — 方向と区間数、大陸ごとの決まりの中でしか組めません。自由なのは決まりの内側だけです。
  • 「表示されている料金がそのまま払う金額」 — 多くの場合、税やサーチャージが別に積み上がります。見積もりは必ず税込の総額で取ります。
  • 「日付はあとで自由に変えられる」 — 変更の扱いは券の条件で決まり、手数料がかかる場合や、変えられる範囲に限りがある場合があります。買う前に、日付の変更と経路の変更を分けて確かめます。
  • 「区間ごとに買うより必ず安い」 — 近い国を細かくつなぐ旅や、格安航空会社の多い地域を回る旅では、区間ごとに買ったほうが安いこともあります。比べ方は移動手段にあります。
  • 「1枚で何度も日本に帰れる」 — 一方向に進む券なので、途中で日本に戻ると旅の向きが崩れます。途中で帰る計画なら、券を分けるか、区間ごとに買う形を考えます。

世界一周航空券が一番得をするのは、大陸をまたぐ長い区間が多く、方向が決まっている旅です。 自分の計画がこの形に近いかどうかを、ルートを決めた後で見直すと、買ってから後悔しません。

買う前に確かめる質問

航空券の窓口や予約の画面で、次のことを確かめてから買うと、旅の途中で困りません。

  • 日付を変えるとき、手数料はかかるか。何回まで変えられるか
  • 経路(乗る都市)を変えられるか。変えるといくらかかるか
  • 地上を移動する区間は、区間の数に入るか — 陸路の区間も数に入る券があります。考え方は移動手段にあります。
  • 券の有効期間はいつまでか。最後の便の日付が期間の中に入っているか
  • 税とサーチャージを含めた総額はいくらか。いつの時点の金額か

答えはメモに残し、確かめた日付も添えておきます。条件は変わることがあるので、旅の途中で変更するときに、買ったときの条件を見返せるようにするためです。