世界一周航空券とは — 料金・区間数・ルールの基本
世界一周航空券は、複数の航空会社が組む連合(アライアンス)が発行する、 地球を一周する行程をまとめて買うための特殊な航空券です。 普通の航空券とはルールがかなり違うので、まず仕組みから整理します。
最終更新:2026年8月6日/料金は2026年時点の公表額
仕組み:区間をまとめて買う
世界一周航空券は、行き先ごとに航空券を買い足していくのではなく、 あらかじめ決めた複数の区間を一括で購入する形式の航空券です。 発行しているのは個々の航空会社ではなく、航空会社の連合体であるアライアンスです。
主要なものはスターアライアンスとワンワールドの2つ。 どちらを選ぶかによって使える航空会社が変わるため、 行きたい都市に強い路線を持つのはどちらかが実質的な選択基準になります。
料金の比較
2026年時点で公表されている料金は次のとおりです。 これらはいずれも本体価格で、空港施設使用料、現地税、航空保険料、 燃油サーチャージは別途かかります。総額はここから上振れします。
| クラス | スターアライアンス | ワンワールド |
|---|---|---|
| エコノミー | 358,900円 | 368,500円 |
| プレミアムエコノミー | 553,800円 | — |
| ビジネス | 705,500円 | 787,600円 |
| ファースト | 1,141,000円 | 1,204,000円 |
エコノミー同士で比べると差は1万円弱で、料金だけで決める理由はほとんどありません。 差が開くのは上位クラスで、ビジネスクラスでは8万円ほどの開きがあります。
表示価格に含まれないものとして、燃油サーチャージ、各国の出国税・空港税があります。 訪問国数が多いほどこれが積み上がるため、区間を増やすと本体価格が同じでも総額は増えます。 見積もりを取るときは、必ず税・サーチャージ込みの総額で比較してください。
守らなければならないルール
世界一周航空券が普通の航空券と決定的に違うのは、ルートの自由度に制約があることです。 主なものは3つです。
1. 一方向にしか進めない(逆走禁止)
東回りか西回りか、最初に決めた方向に沿って進み続ける必要があります。 大陸間の移動で逆方向に戻るルートは組めません。 これが行程設計における最大の制約で、 「あとから思いついた国を途中に挟む」ということができません。
2. 区間数に上限がある
スターアライアンス、ワンワールドとも最大16区間が上限です。 ただしワンワールドのマイルを使う特典航空券は最大8区間で、 太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ横断するという条件になります。
3. 出発地に戻る必要がある
名前のとおり、出発した国に戻ってくる行程であることが前提です。 片道で終わる旅には使えません。
16区間というと多く感じますが、1区間=1フライトです。 乗り継ぎが必要な都市に行くと、それだけで2区間を消費します。 結果として、実際に降りられる都市は16よりかなり少なくなります。 陸路移動(バス・鉄道)を組み合わせて区間を節約するのが定石です。
個別に買う場合との違い
近年はLCCが増え、区間ごとに個別に航空券を買う方が安く済むケースも珍しくありません。 それでも世界一周航空券に価値が残るのは、次の点です。
| 世界一周航空券 | 個別購入 | |
|---|---|---|
| 総額の読みやすさ | 出発前に確定する | その都度の相場に左右される |
| ルート変更 | 制約が多い(逆走不可) | 自由 |
| 長距離路線 | 大陸間の移動に強い | 長距離ほど割高になりやすい |
| 近距離・LCC路線 | 区間を無駄に消費する | 圧倒的に安い |
つまり大陸間の長距離だけを世界一周航空券でおさえ、 近距離はLCCや陸路で埋めるという併用が、現在では合理的な選択肢になっています。
向いている人・向いていない人
向いているのは、行き先と時期をある程度固めてから出発する人です。 総額が出発前に確定するため、予算計画が立てやすくなります。 逆に、現地で気の向くまま行き先を変えたい人には制約が重く感じられます。
また、訪問先がアジア中心で近距離が多い場合は、 16区間の上限を長距離に使えないため、割に合わないことがあります。 ルートの決め方を先に固めてから、 航空券の形式を決める順番がおすすめです。