世界一周ルートの決め方 — 方向・季節・順番
行きたい国を並べてからルートを組もうとすると、たいてい破綻します。 方向 → 季節 → 都市の順に決めると、選択肢が段階的に絞られて破綻しません。 その順番を解説します。
最終更新:2026年8月6日
まず方向を決める
世界一周航空券には「最初に決めた方向にしか進めない」というルールがあります。 東回りなら東へ、西回りなら西へ進み続け、大陸間の移動で逆方向に戻ることはできません。
このルールがあるおかげで、方向を決めた瞬間に訪問順序の候補が大きく絞られます。 行きたい国を先に並べるのではなく、方向を先に決めるのが、 行程設計で最初にやるべきことです。
東回りと西回りの違い
| 西回り(日本→アジア→欧州→米大陸→日本) | 東回り(日本→米大陸→欧州→アジア→日本) | |
|---|---|---|
| 序盤の物価 | 安い(アジアから始まる) | 高い(北米から始まる) |
| 時差の負担 | 1日が長くなる方向に進む | 1日が短くなる方向に進む |
| 旅慣れの順序 | 難易度の高い地域から始まる | 勝手のわかる先進国から始まる |
| 予算管理 | 序盤に使いすぎても後半で調整しにくい | 序盤に高額区間が来るので総額が読みやすい |
西回りが選ばれることが多いのは、序盤の物価が安く、 旅のリズムを作りながら費用を抑えられるからです。 一方、初めての長期旅行で不安が大きい場合は、 言葉と勝手が比較的わかる北米・欧州から入る東回りにも合理性があります。
西向きに進むと現地時間は「1日が長くなる」方向にずれ、 東向きに進むと「1日が短くなる」方向にずれます。 一般に1日が長くなる方向(西向き)のほうが体は順応しやすいとされます。 長期の旅では、この差が積み重なって疲労の出方に影響します。
季節から逆算する
方向が決まったら、次は「その地域をいつ通るか」を考えます。 世界一周は数か月におよぶため、同じ場所でも通る時期で体験がまったく変わります。
- 南半球と北半球は季節が逆 — 日本の冬に南米・オセアニアは夏になる
- 雨季を避ける — 東南アジアや南アジアは雨季の移動が大きく制約される
- 酷暑・厳冬を避ける — 中東・中央アジアの真夏、シベリア方面の真冬は負荷が高い
- ハイシーズンを避ける — 欧州の夏は宿代が跳ね上がる
この4つを地図に重ねると、「この地域はこの時期に通るしかない」という区間が いくつか浮かび上がります。そこを固定点にして、前後を埋めていくと組みやすくなります。 期間そのものの考え方は期間と出発時期を参照してください。
定番ルートの型
細部は人それぞれですが、大枠としてはいくつかの型に収束します。 西回りを例に、代表的な骨格を挙げます。
王道型:アジア → 中東・欧州 → 北米
東南アジアから南アジアを経て中東・欧州へ抜け、 大西洋を渡って北米から帰国する形です。 陸路移動が組みやすく、物価の安い区間が長いのが利点。 最も情報が多く、迷ったときの基準になる型です。
南半球型:アジア → オセアニア → 南米 → 北米
南半球を長く取る形です。日本の冬に出発すると、 訪問地の多くが夏という組み方ができます。 ただし南半球は都市間の距離が長く、航空区間を多く消費します。
アフリカ縦断型
欧州から地中海を渡ってアフリカへ入り、南アフリカまで抜ける形です。 難易度と自由度がともに高く、ビザと治安の事前調査の比重が大きくなります。 世界一周航空券の区間だけでは組みにくく、現地手配の比率が上がります。
訪問国数を稼ぎやすい区間
訪問国数を増やしたい場合、効率のよい区間は決まっています。 いずれも国境が近接していて、陸路で移動できる地域です。
- ヨーロッパ — 陸続きで1日に2〜3カ国またげる(ベネルクス、バルカン半島など)
- 中東・湾岸 — UAE、カタール、バーレーンなど近距離で移動しやすい
- カリブ海 — 島ごとに国が分かれており、周遊で一気に稼げる
- 太平洋島嶼国 — フィジー、トンガ、サモアなど1回の周遊で複数国
逆に、南米やアフリカは1カ国が広く、国境間の移動に何日もかかるため、 国数の効率は上がりません。国数を目的にするかどうかで、ルートの性格は大きく変わります。 数え方そのものは世界は何カ国あるのかで扱っています。
よくある失敗
詰め込みすぎる
最も多い失敗です。移動日は観光ができないため、 都市を増やすほど「移動しているだけの日」の比率が上がります。 1都市あたり最低3泊を目安にすると、実際に見て回れる時間が確保できます。
区間を近距離で浪費する
世界一周航空券の区間数には上限があります(一般に最大16区間)。 近距離をこれで飛ぶと、肝心の大陸間移動に使う区間が足りなくなります。 近距離はLCCか陸路、というのが基本の使い分けです。
ビザの事前申請を後回しにする
インドやオーストラリアのように、 出発前にオンラインで電子ビザを取っていないと搭乗できない国があります。 ルートが固まった時点で、全訪問国のビザ要否を一度に洗い出してください。 区分の詳細はビザの調べ方にあります。