世界一周のお金の持ち方 — 何枚・いくら・どう分ける
長期の旅でお金について起こる事故は、だいたい3種類です。 カードが止まる。ATMが使えない。現金を失う。 どれも「いつ起こるか」の問題なので、対策は全部「起こる前提で分散しておく」に尽きます。
最終更新:2026年8月8日
基本構成:4層で持つ
| 層 | 役割 | ポイント |
|---|---|---|
| ① メインのクレジットカード | 日常の支払いの中心 | 海外事務手数料と保険の内容で選ぶ |
| ② 予備のクレジットカード | ①が止まった・失くしたときの代替 | ①と別ブランド・別の場所に保管 |
| ③ デビット/海外対応プリペイド | 現地通貨の引き出し用 | 口座残高までしか使えない=被害の上限を切れる |
| ④ 現金(米ドル+現地通貨) | カード網が使えない場面の最後の砦 | 分散して持つ。詳細は後述 |
ポイントは、どれか1つが死んでも旅が止まらないように層を重ねることです。 1枚のカードと財布1つに全部入っている状態は、財布を1回失くしただけで旅が終わります。
クレジットカードは最低2枚・別ブランド
2枚以上を推す理由は紛失・盗難だけではありません。 国や店によって使えるブランドが違うからです。 VISAしか通らない地域、Mastercardの方が強い地域が現実にあり、 同じブランドを2枚持っても保険になりません。 VISAとMastercardを1枚ずつが基本形です。
また、カードには有効期限があります。 旅の途中で期限が切れるカードは、更新カードを受け取れません。 出発前に全カードの期限を確認し、旅の期間をまたぐものは事前に更新を依頼してください。
現金はいくら持つか
正解は「多すぎず、ゼロでもなく」です。目安として考え方を示します。
- 米ドル現金 — 通貨が弱い国でも広く通用し、緊急時の交渉力になります。数百ドル程度を、後述のとおり分散して持ちます。高額紙幣は両替で嫌がられることがあるため、小額紙幣を混ぜるのがコツです。
- 現地通貨 — 入国のたびに「数日分」だけ作り、出国までに使い切るサイクルにします。余った現地通貨は次の国ではほぼ無価値です。
「不安だから多めに」は逆効果です。現金は失くしたら戻らない唯一のお金で、 持てば持つほど盗難時の被害額が上がります。 カード網が生きている国では、現金は「ATMに行くまでのつなぎ」くらいの位置づけで十分です。
分散保管のルール
- 財布は2つ以上 — 日常用の財布と、宿・バックパック奥の予備。強盗に遭ったとき渡す用の「見せ財布」を分ける考え方もあります。
- カードと現金を同じ場所に入れない — 1か所の喪失が全損にならないように。
- 予備カード+米ドルの一部は宿に置く日を作らない…ではなく、身につける分と荷物に入れる分を常に分ける。貴重品を全部持ち歩くのも、全部宿に置くのも、どちらも一点集中です。
- 番号とサポート窓口の控え — カード番号・紛失時の連絡先を紙とクラウドの両方に。カードを失くした瞬間、その番号はもう手元で確認できません。
カードが使えない国
国際的な決済網から切り離されている国では、 国際ブランドのカードそのものが機能しません。 こうした国をルートに含む場合は、滞在日数×1日あたりの費用+予備を現金で用意して入国する必要があります。 ルート確定の段階で、各国の決済事情(カード可否・ATM網・米ドルの通用度)を ビザと同じタイミングで一度洗っておくと安全です。
両替とATMの鉄則
- 空港の両替は最小限に — レートが悪いことが多いため、市内までの交通費+αに留める。
- ATMは建物内・銀行併設を選ぶ — スキミング機器や強盗のリスクは、路上に単独で置かれたATMほど上がります。
- 「現地通貨建てか自国通貨建てか」を聞かれたら現地通貨建て — 自国通貨建て(DCC)を選ぶと不利なレートを掴まされます。
- 引き出しは回数を減らして1回をやや多めに — 1回ごとに固定手数料がかかる国では、細かく下ろすほど損をします(ただし持ちすぎ注意と両立させる)。
出発前にやること
- カード会社に渡航先と期間を連絡する — 不正利用と誤判定されて止まるのを防ぐ最重要の一手
- 海外キャッシングの利用枠と手数料を確認する
- 全カードの有効期限を確認する
- 暗証番号を確認する — 海外はサインよりPIN前提の端末が多い
- ネットバンキングのワンタイムパスワード手段が海外で使えるか確認する(SMS認証しかないと詰まります。準備の通信の項も参照)